【写真説明】三日目のスタートは、ムトロツプ(穆特勒布)山頂上を迂回し、同山と雲達卡山の鞍部となる通称穆南営地(露営サイト)へのトラバースである。既に先行する投稿記事で記したように、「地獄のトラバース」なのだが、只闇雲に稜線との出会いを目指し奮闘したイメージしか残っていない。筆者の脳裏に焼き付いていた地獄とは即ち登りの難儀さだったのだが、そんなイメージで当時撮影した写真を眺めていても繋がりが悪い。それで他のハイカーの記録を覗きながら漸く当時の登攀の概略が朧気に想像出来るようになった。今回は二枚の俯瞰図を掲載したが、二枚とも地獄のトラバースを説明するには不都合だ。そこで三枚目の俯瞰図をここに埋め込んだ。赤線の部分は現時点では空く迄筆者自身の推定でありこのように上下大いにスウィングするのは大袈裟かもしれない。実は台湾人ハイカーの言う「地獄」とは登りではなく下りであることが判って来た。すると自身で撮影したトラバース時の写真の並びが格段に良くなった。最上段写真は、O線行三日目、最終目標雪山北峰の朝。二段目左写真は、山屋から樹林帯の中の最初の登りの最高点付近、ここから急下降、ここが地獄の始まりだ。中央写真はその地獄を俯瞰したもの。右写真はその地獄の底近くから地獄の下りを仰ぎ見る。最下段左写真は地獄の底となるガレ場、ここから再び登り返し、稜線上のランドマークである穆南営地(露営地)を目指す。中央写真は、その露営地脇に立つ玉山圓柏。右写真は稜線到達後撮影したムトロツプ山山塊、同写真右奥に写るのは品田山。(続く)
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