2023年06月10日
品田山−2(品田山前峰V断崖)
【写真説明】俯瞰図で強調した品田断崖を下降する前に、もう一つ越えなければならない断崖があった。品田山前峰と品田山との間の断崖であり、今はV断崖とかV型断崖とか通称されている。筆者の山行時はハイカーの間で現在のように大袈裟に取り沙汰される難所と看做されていたかどうか?いずれにしても予想外の障害物だったはずだ。前峰西壁を下降し登り返して品田山山頂に到るわけだが、今現在筆者の記憶にあるのは、その断崖底に至った後の品田山山頂への登攀の印象のみ。上段左写真は品田山前峰下降開始時点、中央写真は前峰壁、右写真は品田山壁登攀。。。とこの程度の写真しか残っていない。今時の若いハイカーなら動画を駆使する。下段左写真は、前峰方面から前峰断崖越しに望む品田山東壁。中央写真は、品田断崖下降中途で望む、喀拉業山、桃山、池有山の稜線と品田山前峰断崖壁。同写真最後方稜線左端最高点が喀拉業山、同稜線右端最高点が桃山(桃山山屋が白く写り込んでいる)、その下方向稜線上の岩峰が池有山、右写真は、品田山東壁登攀途中の前峰断崖越しに俯瞰する聖稜線O線ルートの最終点、雪山主峰(次高山)が同写真右上に見える。又、写真中央上付近に写る白い建物は三六九山荘。
先ず品田山登攀を目指し新達山屋西方の玉山箭竹の緩い斜面を登る。右手に顕われる大小覇尖山山塊の視覚的なスケールは筆者が初めて目にするもので、単純に感動する。撮影データを見ると山小屋を出発して約一時間程度で箭竹の草原を抜け、恐らくニイタカトドマツを中心とする樹林帯に入り込んでいる。品田山頂上山塊がその樹林の間から見え出すのはそこから十分程度、その山塊の大きさには圧倒されるが、何より驚かされたのは、筆者の脚元と品田山山塊との間に筆者が認識していない大断崖が噛んでいたことである。今はV断崖、或いはV型断崖と通称され、台湾人ハイカーへの露出度としては品田山山頂を超えた先の著名な品田断崖より高い。それ故、品田山前峰V断崖という文字が台湾ネット上で目を引く機会が増えて来たのも最近のことだ。武漢肺炎に依り国内の自然財産への関心が継続して高くなっていること、登山経験が無いか或いは浅いハイカーの増加で勢い台湾百岳も武稜四秀のような伝統的で且つ経済的にコンパクトな登攀対象に人気が集中すること、従って、品田山山頂を超え品田断崖を下降する縦走路を辿るハイカーより多数が品田山山頂を踏んだ後は折り返していく。。。筆者の聖稜線縦走時より約10年の変化だ。もう一つ時代証言的に付加しておけば、ドローンでの録画と動画サイトの繁盛ぶりで、この動画はその一例だ。最早筆者の方から紹介することは何も無い。(続く)
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