▲[←俯瞰図はココをクリック]
愈々、このブログのタイトルの「聖稜線」に入る。既にこのブログの記事の中でも聖稜線と云う単語の出所については紹介済みと理解している。聖稜線を含む雪山山脈の山岳の紹介を始めるに当たり、もう少し聖稜線に説明を加える。
台湾山岳協会の総幹事、沼井鉄太郎のパーティーは、昭和2年(1927年)、タイヤル族の聖山、大覇尖山(標高3,490b、百岳29号)に初登頂、翌年発表した小論文『關於攀登大覇尖山之考察與實行』(日本語タイトルの中文訳)の中に以下の下りがあり、爾来大覇尖山から次高山(現在の雪山主峰:同3,886b、百岳2号)までの稜線は台湾登山界で「聖稜線」の名で呼ばれるようになった:
「聖なる稜線、大霸尖山−次高山の真正のトラヴァース(縦走)、果たして何人がその栄誉を荷ひ、その真美を語り得るだらうか。」
さて、それは良い。筆者が苦労したのは、日本のサイトを渉猟しても、沼井のその小論文のタイトル、収録されている機関紙名、又、引用した下りの日本語原文、往き当らないことだ。大体、ウィキペディア日本語版には沼井鉄太郎そのものが存在しない。他方、台湾版には詳細な紹介が出ている。更に台湾では極めて著名な下りの日本語原文は、何と雪覇国家公園の日本語公式サイトの中にあった。いやはや日本人にとり台湾は遠くになりにけりである。
以上の様に聖稜線の本来のルートは大霸尖山と雪山主峰を結ぶ稜線だが、このブログでは広義の聖稜線として本来の稜線から派生している稜線上の山岳も含めることにしている。
筆者の雪山山脈の登攀歴もそう多くない。武稜四秀、聖稜線O線、大覇尖山、志佳陽大山、(番外編)大小剣山の順で紹介する予定だ。
今回の俯瞰図は雪山山脈の山岳の紹介の手始めとして沼井の聖稜線(大覇尖山-雪山=次高山)と最初の紹介となる武稜四秀(桃山-喀拉業山-池有山-品田山)の四座をシンプルに抱き合わせた。(終り)
2022年08月27日
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