2022年06月04日
南湖大山南峰−5
【写真説明】2004年、2013年に続く今年の三回目の南湖大山行に対し期待していたことは二つある。一つは南峰と巴巴山の二座に登頂し、台湾百岳五十座完登を達成したかったこと。五十座完登は今年三月に雪山山脈の大・小剣山に登り済ませているはずだったが、悪天候の為に登頂を断念したからだ。詰まり後二座だったのだが、南峰迄は辿り着いたとは言えもう一座残ってしまった。二つ目は南湖杜鵑(ナンコシャクナゲ)の開花に出遭うこと。昨年は暖冬の影響で台湾シャクナゲの開花は一箇月以上前倒しになり、五月初日、慌てて玉山の登山基地塔塔加(タータカ)に車を走らせたのだが、完全に花期を逃してしまった。今年は逆に、三月中旬は南湖大山の開花には早過ぎるのではないかと云う不安があった。結果はナンコシャクナゲ、ニイタカシャクナゲ共々、標高大凡3,200b以下の地点では既に開花が始まっていた。左写真は今回の南湖大山行中、登山道脇で初めて目にしたシャクナゲ、ニイタカシャクナゲ、一昔前はモリシ(森氏)シャクナゲと呼んでいたかもしれない。標高は2,900b付近。中央写真は審馬陣山屋への三叉路付近に一株華麗なナンコシャクナゲの喬木(写真埋込)(低木)がありその中から開花したものを撮影した。標高は約3,200bで筆者の今回の山行の時期の開花最高点ではないかと思われた。ナンコシャクナゲはニイタカヤマシャクナゲに比し丈が低く喬木が常態かと考えていたが、中央写真より高度を上げた地点で撮影した右写真で見るように、ナンコシャクナゲも灌木化しているものがあるのを今回認識した次第。同写真に写るまだ未開花のシャクナゲ、手前に写る笹を除き写真の下から上まですべてナンコシャクナゲである。さて、南湖大山南峰カテゴリーを閉じるに当たり、筆者の二回目山行の記憶が大いに脱落していた部分を紹介しておく。二回目山行時もこの脱落、ギャップがあったことは既に具体的に前述したが、三回目山行時も相変わらず同様の記憶のギャップに苦笑いする始末。以下のコメントを分かり易くする為にこのダイヤグラムを埋め込んだので参考にして欲しい:
1. 「はっと息を飲むほどに美しい樹相」と云う表現を南峰の投稿記事の中で使ったが、これは何も主峰−南峰間の登山道景観の専売特許と云うわけではない。勝光登山口から暫く小稜線に至るまで急坂が続くがこの部分の植林は未だ日が浅く小振りだ。この段を例外として残りの段すべての樹相は全く非の打ちどころが無い。
2. 多加屯山前峰(避難小屋有り)と多加屯山はほんのお隣同志の距離だと思い込んでいたが、実はかなり距離があり、且つ更に大きな記憶違いは、多加屯山山頂を過ぎると急降下、中央尖山への定番コース、南湖渓山屋への分岐点、木杵鞍部迄の大下り、その後僅かに登り返し雲稜山荘に至ることを漸く理解した。何と、多加屯山の方が雲稜山荘よりも標高は高いのだ。
3. 次は逆の誤解:雲稜山荘から登山道が一旦下るのも誤算であったが、その鞍部から鹿野忠雄特定の三号カール突端の南湖大山北峰まで、登り一方であること、特に審馬陣山迄は急登、広々とした審馬陣草原を軽やかに横切るイメージは吹っ飛んでしまった。総じて、多加屯山から北峰まで徐々に高度を稼ぎながら登るというイメージしかなかったが、実はその間、大下りと大上りが隠れていたということだ。
4. 南湖山荘までの20`余りの登山道中、最も注意を要する北山−北峰間約1`の五峰岩断崖、今回は険しく、恐ろしく。。。以上、結論として、登りも降りも辛く、岩場は恐怖心を覚える、六十を有に越えてしまえばこんなものか?(終わり)
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