2020年11月07日
北大武山−15:南大武山−4
【写真説明】日本で山登りをしていた頃は、所謂山行記録をまめに取っていたものだが、デジカメの出現で手書きのメモは全く徒労でしかなくなった。佳興山荘を後にし下山を開始しクワルス渓岸の駐車地に戻る迄の時間軸は、撮影した時間データに依ると下掲の通りである。とは言いながら、このように改めて時間データを並べてみたのは筆者自身初めてのことである。その理由は、当時の僅か二日間の撤退行の間、始終雨に濡れ蘇ぼれ、脳味噌迄朦朧としたような気で只只管(ひたすら)歩き続けるだけの状況だったので、一度記憶と実際撮影したイメージの整合を取っておこうと思い立ったからだ。前述の朦朧とした気分は、実は最初の投稿記事の中で書いた体力の急激な衰えの故である。佳興山荘前後の廃棄林道の状態は明瞭な違いがある。前段は林道自体が高低様々な草木に覆われ嘗ては林道であったことが想像し辛い。後段は前回投稿で紹介した通りである。詰り、廃棄林道を取り巻く植相が大きく違うと云うことである。
中でも圧巻は巨大な筆筒樹(ヒカゲヘゴ:下掲ウィキペディアからの抜粋参照)の群生(掲載写真)である。雨と霧に煙る空間にそそり立つ生きた化石群は、正にジェラシックパークの世界そのものである。筆筒樹は台湾全土に生息するが、屏東のそれは格別大きいのではないかと思う。又、下掲時間表を見て判る通り、少なくとも下り歩行1時間程度は筆筒樹の群生の中をだったと考えられるので、同植生の広がりも大きいと思う。少なくとも約5時間半を掛けて11`の林道を下った。
1211:佳興山荘で最後の撮影
1253:筆筒樹群の最初の撮影
1441:筆筒樹群の最後の撮影
1527:大休止地点到着
1545:クワルス渓底眺望の最初の撮影
1738:本山行最後の撮影(ブラックアウト)
<ウィキペディア「ヒカゲヘゴ」からの抜粋>
筆筒樹/ヒカゲヘゴ(日陰杪欏、学名:Cyathea lepifera)は、ヘゴ科の多年生のシダ植物である。
[特徴]
大型の常緑木生シダで、日本では最大のシダ植物である。鹿児島県の奄美大島や沖縄県の沖縄本島から八重山諸島にかけての森林部でよく見られる。
高さが平均5〜6m、最大で15mほどになる。葉だけでも2m以上はある。幹には楕円形の模様が多く、蛇のような柄をしているが、これはヒカゲヘゴの成長に伴って葉柄が枯れて落ちた痕跡である。ただし次第に細かい気根がその表面を覆い、見えなくなる。
新芽は幹の頂部より伸び、葉柄部から葉がゼンマイのような形状となった後に開いて成熟する。
ヘゴ科の植物はシダ植物の中では比較的新しく約1億年前に出現したものであるが、ヒカゲヘゴはその大きさから古生代に栄えた大型シダ植物を髣髴させるものであり、その生き残りと呼ばれることもある。
[分布]
日本の奄美大島以南、台湾、中国福建省、フィリピンなどに生息する。
(続く)
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