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「台湾五嶽一奇」に加え、「三高」(新高山=玉山主峰、次高山=雪山主峰、能高山)、つまり能高山登攀は、台湾百岳全登攀を夢想する以前に、台湾を代表する山岳として、先ずは登攀を完了させることが、筆者の目標だった。昨年10月に遅まきながら目標到達と相成り、ここに投稿することになった。
以前の投稿「奇莱主山南峰−1」で書いたように、最後に能高山を目指したのは2017年10月の事である。登攀予定日前夜の大雨で即座に断念した。それ以前に同座への登攀を目論んだことがあるはずだが、当時は天池山荘迄辿れば一日で頂上迄往復して、同日中に下山迄可能と気楽に考えていた。実際、当時はその位体力に自信があったのだ。六十が近づくにつれ、この自信はあっさり崩れていく。それでも最後の五十台の歳、計画を組んだ時も、天池山荘からの頂上往復は十時間以上掛かることを知っていながらまだまだ組し易しと考えていた。それから丁度二年、再び能高山登攀の計画を組んだ時は、還暦を迎えた後であり、早い事登っておかないと、機会を失うかもしれないと云う焦りに取り付かれていた。
能高山を越えて、更にもう一座の百岳、能高山南峰迄登攀する日数は確保してあったが、断固として放棄していた。又、能高山だけの登攀にしても、天池山荘との当日往復(所謂単攻)以外に、能高山を越え南峰との稜線上で一泊、翌日再び能高山を越え天池山荘迄戻ると云う二日コースもガイドに提案された。一日の歩行時間を短くする為であるが、このオプションも断固退けた。山中一泊分の荷物を担いで能高山を越える?とんでもない!哀しいかな、以上が筆者の現在の心理状態なのである。
結局、十三時間半を費やした。ガイドに依ると、通常の往復時間だとの事。中華民国登山協会ルート図だと10.6時間(歩行時間のみ)、長年筆者の頭にこびり付いていたのは後者の数字、しかも若い時分は休憩を含めてでも十時間内で往復可能と考えていた。
能高山の山容はこのブログでも弊別ブログ「台湾古道」でも相当数の写真を紹介して来た。尖峰である。ところが、Google Earthで俯瞰図を作ると、この尖峰のイメージが出来上がらなかった。仕方が無いので、スケールを200%とした。南華山から能高山山頂の間の稜線上の「障害物」は一に卡賀爾山、二に岩である。又、能高山南東側には常に奇怪な能高山南峰が鎮座している。この山塊が目前に迫った時、つくづくその峰に登攀を試みると云う暴挙に出ずに良かったと思うことだった。(終り)
2020年02月15日
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