2018年12月08日

「台湾百岳」について−11:「富士山」-2

tm-350+.jpg tm-349+.jpg tm-351+.jpg
【写真説明】(写真説明は後段)閑話休題がもう少し続く。今月日本から七十を越えられた先輩が来台されたので、清境農場に御連れした。恐らく台湾で一番人気のある観光地である。「台湾のスイス」と呼ばれることは、弊別ブログ「台湾古道」で書いたことがある。標高が約二千メートルの高地にあるので、運が良ければ冠雪に巡り合える。台湾中南部から合歓山連峰を目指すなら、必ず経由することになる。筆者に取っては、清境農場は通過地点でしかなく、ここを通過する際如何に車両の異常な渋滞を躱すかに専心する。この農場の人気の高さは放し飼いの綿羊であり、それ故、家族連れが圧倒多数であり、その中に、六十を越えた筆者と七十を越えた先輩二人が紛れ込んだわけだ。

「台湾百岳」ブログ故、清境農場の概要を長々と書き連ねる積りは無い。但し、農場の経営母体が特殊、或いは台湾的なので少し触れておく。通称、「退輔会」或いは「輔導会」、正式には「国軍退除役官兵輔導委員会」、つまり国軍退役兵互助会みたいなものか?もっと分かり易く言えば、イコール中国国民党経営、病院を含む幅広い業種が傘下にあり、七箇所の農場経営も含まれる。その中で、武陵農場(台中市和平区)、福寿山農場(同)、清境農場(南投県仁愛郷大同村)は、台湾三大農場と呼ばれ、一般に公開され宿泊施設も擁するので、四季を問わず、超人気だ。

清境農場は元々は日本人に依り牛の放牧場として開拓されたものだ。当時は「見晴農場」又は「霧社牧場」と呼ばれていた。霧社事件当時の所謂蜂起蕃六社の内、セデック族ロートフ社の本拠地でもあった。見晴(みはらし)は地名としてそのまま残っているし、民宿等の様々な意匠の看板の文字にも入り込んでいる。

さて、今回の投稿のテーマは清境農場では無い。そもそも日本人老人二人が紛れ込むには余りにも喧しい。但し、凡そ四区に分けられた農場内の最高点と最低点の落差は約250メートルあり、最も最上段にある農場核心部である青青草原(左・中央写真)の最高点海抜は2,000メートル弱あるので、非常に良い運動となる。農場東側を走る幹線自動車である省道14号甲線(中央横貫公路霧社支線)は、奇莱主山、能高山、安東軍山を含む中央山脈北三段の展望台であるが、農場内からの北三段の眺望は格別であると云う至極単純な事に初めて気付いた。但し、当日はこれら富士山と然程遜色の無い標高を誇る稜線は雲に隠されていた。

代わりに、北三段群の前衛山は良く見えていた。これも初めて気付いたのだが、以前に弊『台湾古道』ブログでも紹介したことのある、マヘボ富士(馬海僕富士=麻平暮山、2,617メートル、南投県仁愛郷)とボアルン富士(富士山=母安山、1,528メートル、南投県仁愛郷)の二つの富士山が同時に望めることであった。右写真に写るどの山が相当するか?は読者の方の判断に委ねたい。これが今回投稿の主題である。(終り)
posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☁| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。