【写真説明】上掲写真は江西省玉山県紫湖鎮紫湖村の景観三枚。中央、並びに右写真バックは三清山山域である。蓮華が咲いていた。下掲写真は同省三清山国立公園内で撮影した壮大な花崗岩景観プラス世界遺産は皆様の為に、或いは?
台湾独立派の方からは大いに叱責を受けそうだが、駄文を一つ加えて「ニイタカヤマ」を閉じることにする。「玉山」についてである。
中国では恐らく大きな市街地には何処でも「玉山路」が存在すると思う。蘇州にも「玉山路」が存在するし、実際その道路を自転車で走ったこともある。しかしながらその玉山が何に由来するのかは全然想像が付かなかった。無論、台湾の玉山から来てきるのではない。では、逆に台湾の玉山は中国に由来する?答えはノー、新高山になる前に、既に「玉山」だったのだ。
中国人にとって生涯是非とも訪れたい三大観光地は、北から、安徽省黄山、福建省武夷山、広西省桂林、だそうだ。いずれも世界遺産だ。それで今年の社内旅行(去年もリストにあったなあ)候補地に武夷山の名前を確認した時すぐに申し込んだのだが、人数が集まらず、武夷山行きはキャンセル、他の場所を再選択するよう促され、迷った挙句に選んだのが江西省三清山だ。何故、三清山?江西省には未だ行ったことが無かったし、(これも!)世界遺産だし、他の旅行候補地は全然興味無し。。。江西省と言っても、黄山のすぐ南側だし、どうせ、黄山と同じスケールの花崗岩景観を押し付けられるのだろう。。。この時点では、三清山がこのブログに登場する可能性はゼロだった。
滬昆(こ・こん)国道60号線(G60)を南下、蘇州から片道7時間の距離、滬とは上海の略称で今でも好んで使われる。簡体字は三水に「戸」。「昆」は雲南省昆明市。途中、偽物か本物かどうか?地下の人工巨大空間(掘削洞窟)、つまり将来の世界遺産候補地を見せられ、三清山に入る前に一泊する為に立ち寄った場所が玉山県に属していたのが、このブログ記事をアップする直接の動機だ。
以下、無味乾燥な説明文を加えるが、その前に二つだけ―まず、宿泊した場所は三清山山域東側の玉山県紫湖鎮紫湖村、国道60号線から50キロ程度北上した場所にある田舎町でなかなか気に入ったこと。二つ目は、翌日は朝から霧雨、何も見えず、あー、失敗したなあと思いつつ我慢して会社の同僚と山中を五時間程度徘徊。。。その間、僅か十五分程、霧、雲が晴れた瞬間があり、偶々核心部の一つを歩いていた。灰白色の世界を鬱々として歩いていたので、その豪華絢爛たる景観は実に鮮烈だった。それと日本人・台湾人と中国人の山登りに対する感覚は違うことも新めて理解したことか?今回の記事に掲載した写真を見ていただければ判るかと思う。
三清山は江西省上饒市玉山県と徳興市の境界に位置し、玉山県の中心から北西約50キロメートル、懐玉山脈に属する。三清山の「肩書」は以下の通り。後光が輝くばかりの国立公園である;
世界自然遺産(World Natural Heritage)、2008年登録、中国では七番目の世界自然遺産
国家級風景名勝区(National Park)
国家地質公園(National Geopark)
国家AAAAA級旅游区(National AAAAA Tourist Resort)
国立公園内は次の五つの風景区に分かれている。括弧で括くられていない部分が同公園公式サイトに於ける名称であり、括弧内は、庶民にも判り易い名称、そう、きちんと道教のお宮があるというより、中国では有数の道教の地であるらしい;
南清園、西海岸、三清福地(三清宮)、陽光海岸(玉京峰)、万寿園
この内、南清園が三清山核心部で、同風景区の南側(南山索道)と東側(金沙索道)にロープウェイーが掛かる。今回我々の実に惨めな五時間弱に渡る登山も、金沙索道で上がりこの風景区を徘徊した。ここに掲載した写真は何処で撮影されたか?うーん、申し訳ないが判らないし、重要なことでもなさそうだ。
三清とは、玉京、玉虚、玉華の三峰のことであり、三清山の最高峰は玉京峰(1,819.9メートル)である。未だに判らないのは中国では、山の標高を表すのに、小数点以下一桁と小数点無しを混在して使うこと。確か中国では9は目出度い数字だから、正確であろうがなかろうが、出来るだけこじつけて沢山使い縁起を担ぐ―大いにありそうなことだが、どうもそんな規則性も無いようだ。いずれにしても、中国の玉山は三清山に由来しているのだ。
台湾の秀逸な花崗岩景観の代表はタロコ(太魯閣)渓谷である。日本は何処だろうか?ざっと思い付くままには、南アルプス(甲斐駒、鳳凰三山等々)、屋久島。。。スケールだけで比較すると勝負にならない。個人の好み次第である。(終り)
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