【写真説明】新高山山頂からの俯瞰三枚。左写真は真北俯瞰。北山(玉山北峰)と中央気象局玉山気象站、昭和18年に開設された。その奥が玉山北北峰(3,833メートル)。既に富士山より高い峰だが百岳には指定されていない。更にその奥に、郡大山(百岳60号、3,263メートル)、西巒大山(百岳92号、3081メートル)も覗く。中央写真は南東側俯瞰、同写真左に黒々と写る東山(玉山東峰)方面への稜線。同写真右奥稜線の最高点は新康山(百岳44号、3,331メートル)。右写真は南側俯瞰、南山(玉山南峰)の雄姿、同写真右奥にピラミダルな関山、更に右最端の三角峰は北大武山(百岳91号、3,092メートル)。三枚とも2004年2月20日に撮影。尚、以前の「台湾百岳」ブログ記事「点の記」上で、新高山頂上碑と三角点の写真を掲載済みなので、併せてご閲覧願いたい。
[玉山古道−余話:第三回目転載開始]
西さんにご連絡したかったことは実はもう一つあります。一昨年阿里山を案内していただきましたが、あの時祝山で写した父の古い写真をお見せしました。あの祝山三角点を祝山観日楼と思い、西さんにも調べていただき、結局見つけることができませんでした。昨年西さんからいただいた台湾内政部土地測量局の地図をあの後じっくり眺めていたら、観日楼とは別の地点に祝山2,489メートルがあるのを見つけました。こここそ写真の三角測量櫓のあったところだと考え、この地点に立つことを今回の旅行の二つ目の目的としていました。
水里を訪問した後、阿里山に入り、28日早朝祝山に列車で到着しましたが生憎の霧で何も見えず、他の観光客は祝山駅の階段を上がった地点でお土産屋の親父の説明を聞かされ、西さんと一緒に登った観日楼にも行かず帰りの列車の時間までぼんやり時間を過ごしていました。阿里山のホテル(1泊600元)で貰った新しい案内図には、祝山駅から観日楼に行く道とは丁度逆の方向に眺望台の記載があり、ここが内政部地図の祝山の地点と一致するのではないかと思います。お土産売りの小母さんに尋ねると、この道は途中で進入禁止になっているとのことでしたが、無視してその道を辿ってみました。眺望台に行く道で案内図にも載っている道なので、歩きやすく、10分程度で到着しました。霧が深く何も見えませんでしたが、晴れの日なら眺望の良いところだと想像できて、たぶんここが祝山の頂上だと思えます。眺望のために木製のバルコニーができていましたが、この足元が崩れていて、斜めになっていましたので、来る途中に進入禁止の看板が立っていた理由だと分かりました。これで一応目的は達したと思いながら、急ぎ足で祝山駅に戻り、他の観光客と一緒に帰りの列車で阿里山駅に戻ることができました。有効に時間が使えたのも一昨年に西さんに案内していただいたお陰で、土地勘があったためだと心から感謝いたしております。
この後、阿里山から嘉義県公車に乗り、時期はずれの台風で崩れた道を走り、嘉義に出て、台湾高鉄を利用して台北に行き、中央研究院に出かけたのですが、ここで祝山の話をしたら、現在の内政部地図でも三角点の表示があるのだから、眺望台の下に三角点があるかどうか調べてみましょうと親切なことを言ってくれました。報告は以上のとおりです。タイミングよく西さんからメールをいただき、不思議な気がしています。」(2007年12月3日)
K氏から教えていただいたご尊父の経歴は以下の通りである。黒川直(くろかわ・なお)、明治23年(1890年)東京生まれ。陸軍参謀本部陸地測量部に技手として勤務。その後朝鮮総督府、台湾総督府に勤務。台湾総督府時代は内務局地理課勤務。昭和12年(1937年)に台湾拓殖株式会社に移る。どの時代も地形測量、地形図作成の業務に従事。
K氏の、ご尊父の足跡と業跡を辿る姿には心打たれる。
台湾の山に登るとその頂上にあるのは大概日本時代に設置された三角点である。台湾の地が東西南北、正確な位置と広がりを以って近代史に立ち顕れたのは、K氏のご尊父のような測量技師の努力に拠ってであることを台湾の山に登る度に思う。当時の測量技師が如何に苦労して台湾の山々を測量して歩いたかは、鹿野忠雄の「山と雲と蕃人と」を読むとよく判る。台湾人は何故か山頂に辿り着くとまず三角点に手を触れる人が多い。何かのおまじないであろうがその理由を聞いたことは無い。(終わり)
[玉山古道−余話:終り]
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初めてお邪魔しました。突然で申し訳ありませんが、ご回答を頂けますと幸いです。
私は台北在住で、登山に興味がありますが、まだ全くの初心者段階です。台湾の山を登って行きたいと思い、山岳会などの情報を探していますが、台湾語は全くできません。台湾在住の日本人を含む、同好会や山岳会などをご存知でしたら教えていただきたいです。
よろしくお願い致します。
返事が遅くなり誠に申し訳ございません。
同様のご質問を時々受けますが、私自身の現在の仕事場が中国に移っている関係で、なかなか具体的な方法をアドバイス出来ずにいます。それで、添付PDFファイルのような形で紹介することにしております。PDFファイル中に記されたコンタクト先へのご連絡が遠慮される場合は、私の方へお問い合わせお願い致します。
今後とも何卒宜しくお願い致します。
[台湾山岳ガイド案内]
https://taiwan-mountain.up.seesaa.net/data/Taiwan20Mountain20Professional20Guide.pdf
ご回答をいただき大変ありがとうございます。
検討してみます。
今後もホームページのアップを楽しみにしています。