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向陽山も三叉山も私の手元の『臺灣地形圖新解』には出て来ない。同書に掲載地形図製作時、所謂蕃界の更なる深遠の地故、測量が及ばなかったと思われる。で、当時何と呼ばれていたか判然としない。いずれにしても、今回のダイヤグラムの主は三叉山ではなく、その山麓に佇む嘉明湖である。
三叉山はたおやかな台地と呼ぶに相応しい山である。向陽山の峨々たる山容との対照の妙味が嬉しい。
台湾人のハイカーにとって嘉明湖は必須の到達地である。私自身は山岳中の湖沼に対し特別な思い入れがあるわけではないが、その存在は以前から知っていた。私の俄仕込みの知識は長年、嘉明湖=隕石地形、即ち隕石が衝突してその窪みに出来た湖沼というものであった。それだけで十分興味をそそられた。
嘉明湖のプロフィールは以下の通りである;
台湾湖沼第二位の標高:3,310メートル(最高度は雪山山系翠湖の3,520メートル)
最長径120メートル、最短径80メートル、面積1.9平方キロ
最深6メートル
この湖沼に流れ込む水系は皆無、但し、枯渇することはない。
本湖沼形成については近年研究が進み、従来の隕石衝突説に代わり氷河遺跡説が駘蕩、現実点ではその学術論争は静かなそうな。氷河遺跡とは台湾では氷斗湖と呼んでいる。氷斗とは日本ではカール、圏谷と称している。
残念ながら、今回掲載した「グーグル・アース」では嘉明湖の上空には雲が掛かっている。僅かながらその湖沼面の紺碧が覗いていた。(了)
2012年01月28日
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