2011年10月15日

向陽山−4

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【写真説明:写真はクリックして拡大】「玉山圓柏」
左写真は向陽山大崩壊部の肩の部分、登山道は崩壊部上端に沿って付けられているが写真で見るように広々としており、玉山圓柏の群生が見られる。同写真右奥の稜線は中央山脈南一段、遥か遠くに浮かぶ三角峰は北大武山。中央写真は立ち枯れた玉山圓柏でそのまま芸術品なのだが、私は端から退散していた。右写真は向陽山登山口三叉路、同写真に写る稜線を詰めると向陽山頂上である。


向陽山屋から台湾二葉松の喬木地帯を急登しやがて大崩壊部の肩に出てそのまま頂上に至るまで、4時間弱というのが標準であろう。この間のマイルストーンが;

[向陽山屋(2,865m)→]黒水塘営地(3,124m)→玉山圓柏(3,300m)→向陽山登山口三叉路(3,490m)[→頂上(3,603m)];

の三箇所で、各々の区間はざっと一時間程度の距離である。三叉路とは頂上への登山道と嘉明湖避難山屋への登山道との分岐点のことである。最初に向陽山屋から台湾二葉松の喬木地帯に取り付いた時は、夜中の闇の中、土砂降りで風が強かった。かなり広い斜面で登山道がどう付いているのか判りにくい場所をひたすら登らされた。向陽山屋からの最初のマイルストーンである黒水塘までもがまず随分長く感じられた。急登が急に緩やかに変化する大崩壊部の肩の部分に至るまでは更に苦しかった。靴とズボンは泥だらけになった記憶がある。二回目の登山時、この部分は二回往復する機会に恵まれた。一日目、小屋に荷を降ろし夕餉までの時間を利用して時間の許す限り登ってみた。黒水塘まで案外簡単に辿り着いたので驚いたが、その後の「広い斜面」を実際を目の辺りにして、前回悪戦苦闘した理由を理解出来たが、天気さえ良ければ山は誰に対しても優しい。。。

私の父には申し訳ないが、植物は空きし駄目な私が、玉山圓柏とは何か?と問い、まあ、自分の納得出来るまで調べた結果は以下の通りである;

現地の中文と英語に依る案内板には次のように解説してある(筆者拙訳);

「玉山圓柏は台湾の最高所に植生する針葉樹であり、加えて、森林限界以上に植生出来る唯一の針葉樹である。」

台湾の森林限界とは大体標高3,500メートルである。

英文説明に「Juniperus squamata」とあるので検索すると、「新高柏槙(ニイタカビャクシン)」に行き当たった。今は観賞用が広く行き渡っている。「圓」は「円」の旧字体であるが、「円柏」で日本語サイトを検索しても何にも行き当たらない。大体、「柏」という文字に騙されているのである。「柏」とは日本では柏餅の柏なのだが、当然、針葉樹である円柏の葉では餅は包めない。中国サイト(中国語)の「柏科」とは日本語では「檜(ひのき)科」のことだ。日本語の「柏」はブナの類で針葉樹では無い。元々の漢語の「柏」とは「檜」とか「杉」、つまり針葉樹なのだ。これで眠れそうだ。(続く)
ラベル:台湾 台湾百岳
posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 向陽山(第17座:3,603m) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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