▲[←俯瞰図はココをクリック]
小関山とは明らかに関山に因んで名付けられたのだが、何を以てそう呼ばれるのかは私には未だに判らない。山容から、小振りの関山という意味だろうか?
南一段の縦走路に頼らずに、この山だけを目指す方法もある。私はそれに拠った。高雄県桃源郷宝来温泉を起点にし、その温泉郷の背後の山の急勾配をいきなり遡る小関山林道を辿る方法である。林道の終点に登山口が付いており、そこから往復4時間程度で登れてしまうので、この登山口に早い内に着ければ日帰り可能な百岳ということになる。
小関山登山は私には二つの意味で大きな印象を残した。一つは小関山林道自体の悪辣な路面である。今は、サイクリストにスリリングな旅を提供しているに違いないが、先般のモーラコット台風でまず宝来自体が壊滅的な打撃を被っているので、林道自体の状態も推してしるべしである。当時ですら、ひどいものだった。一箇所は山側の斜面が大きく崩れ落ちそのまま林道を跳び越し谷側の急斜面に土砂がなだれ込んでいる。そこに車一台がやっと通れるだけ土砂を取り除き車が通れるようにしてあるのだが、土盛りの上を乗り上げるような格好になっており、車の為に付けられたスペースがなにしろ谷側に向かい大きく傾いているのだ。おまけに土砂というより石ころだらけなので、車輪の噛みが悪い。申し訳程度のスペースから車輪が外れれば、或いはその土盛り自体が崩れてしまうと谷へ転落である。さすがにびびって、土盛りに乗り上げる時にスピードが出せず、土盛りの上で立ち往生してしまった。偶々沢登りで入ってきていたグループが通り掛かってくれ、彼らの誘導で何とか乗り越せたが。後一箇所とんでもない場所があったが、こんなことを繰り返し書いてもしようがないので、これだけに留める。台湾の林道は車で辿るには本当にスリリングである。
もう一つは林道沿線の紅葉である。過去、別な場所で書いたことがあるが、台湾の紅葉のメッカは、南投県仁愛郷奥万大である。私も行ったことがある。日本で目の当たりにできるような全山を覆うような紅葉を台湾では期待出来ない。緯度上無理からぬことである。だから、台湾では奥万大の紅葉が精々だという印象を持っていたので、小関山林道沿線の紅葉には実際仰天した。台湾の紅葉もここまでやるか、と唸ってしまったが、これとて幾ら文章にしてもつまらない。後に続く記事の中に写真を掲載することにしたい。
ダイヤグラムで見る通り、南面は穏やかな山容を見せている。頂上へ到る登山道は笹に覆われた南面を這い登る。大きく切れ落ちた頂上北斜面から関山を望むことになるが、実際の登山者が体験する俯瞰である。(了)
2009年11月21日
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