▲[←俯瞰図はココをクリック]
羊頭山登山に関しては幾つか特徴がある。
まず、羊頭山は台湾百岳制定当時は、百座目であった為、今でも多くの登山者がそう思っている。それで百岳の「老『イ/ム』」(中国語で末っ子の意)と呼ばれる。少しでも百岳登山に興味があれば、まず第一座目の玉山に登った後は、なら次は第百座目を押さえておこうと思い至る。それで百岳の中でも以上の理由でよく登られている山である。
二つ目は、台湾の代表的な山岳自動車道の一本である中央横貫公路(省道8号線)、通称「中横」の道路脇に登山口があり、そこから頂上までは約5時間程度で登れる、所謂「日帰り可能な百岳」の一座である。
最後に、台湾百岳の中で動物の名を冠するのはこの羊頭山のみ、しかも十二支の一つなので、特に羊年の新年には縁起担ぎで登山者が集中する。最近では2003年がその年だった。
さて、この山を何処から眺めて羊頭に見立てたのかは判らない。羊頭山はもう一つの百岳である畢祿山(百岳第36座、3,371m)からの稜線続きで、この稜線も含め羊に見立てその頭部に当る部分を羊頭山としたであろうことはGoogle Earthのダイヤグラムを見ても明らかである。但し、西巒大山と同じで、畢祿山がよく見える合歓山方面から望んでもあれが羊頭山だと明確に指せずにいる。とにかく特徴に乏しい。
それでどんなダイヤグラムが適当か考えていた。
羊頭山の頂上に立った時、真っ先に飛び込んできたのは、無明山(百岳第29座、3,451m)のキラキラと銀色に照り輝く南斜面大崩壊部、実に強烈な印象だった。
それと前述した中横、日本人観光客にも御馴染みのタロコ大峡谷から延々と上り詰めるこの自動車道は何時走っても溜息が出る。連想するのは色々なこと。中横について書き出せば限がないのでここでは割愛するが、この現代自動車道建設のベースになったのは、日本時代の「理蕃道」、今は合歓山越嶺古道と呼ばれる。その内私のもう一つのブログ「台湾古道」で紹介できる日がくることを希望している。中横は西海岸側から登り詰める省道14号甲線と繋がり、合歓山主峰(百岳第34座、3,417m)と合歓山東峰(百岳第33座、3,421m)との鞍部を通過する最高点が何と標高3,275メートルある。日本でこの標高を持つ場所は富士山だけである。
それでこれら二つのイメージをGoogle Earthで描き出したのが今回のダイヤグラムである。一番手前の山肌を中横が走る。文字を入れた部分の標高は凡そ2,500メートルである。(了)
2008年11月08日
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