2008年05月03日

北大武山−4

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【写真説明】左写真は檜谷山荘に到る途中にある石楠花(シャクナゲ)の回廊と見紛うような見事な群生。縦横に這い回る根もシャクナゲのものである。残念ながら台湾南部の6月下旬の撮影なので花は散ってしまった。中央写真は山荘脇の沢。山荘を登山口側に少し戻った場所には格好の展望所がある。山荘の泊まり客は日没前にはこの地に集う。天気が良ければ高屏(高雄―屏東)平野越しに高雄の街まで望める。左手には北大武山と南大武山の間の大断崖が望める。右写真は同地点から撮影した南大武山に這い上がる雲。

登山口と北大武山の頂上の標高差は、約1,500メートル、距離は約9キロある。通常は山中一泊の二日コースであるが、兵(つわもの)はこれを日帰りでやっつける。そのような登山者は大体10〜12時間ぐらいで往復するのではないかと思う。

通常の一泊二日コースだと、檜谷山荘とその周辺が宿泊場所になる。登山口と檜谷山荘の標高差は約600メートル、登山口からの距離は約4キロ、即ち檜谷山荘と頂上の標高差が900メートル、距離は約5キロということになり、二日目は登山口まで下りることを考えると二日目はかなりハードな山行になる。登りは、登山口から檜谷山荘、山荘から頂上、各々かなりの急坂をこなさなければならないが、大概の登山者は日の出の時間に頂上に立つことを希望するので、山荘から頂上を目指す場合、真っ暗な道を辿ることになる。

この現在檜谷山荘がある一帯は、日本時代は檜山と呼ばれていた場所で、頂上稜線上の神社(大武祠)設営、並びに登山道整備の為の職人、人夫が泊り込んだ場所だそうだ。又、登山者の便の為の宿泊所が造営され警察官も駐在していたと謂う。戦後その建物は解体されその木材は麓の小学校の建築に供されたと謂う。山荘という名が付いているが、非難小屋である。日本の山岳中にある山小屋を想像すると大きなギャップがある。台湾の山岳中の避難小屋も確実に雨風が凌げ安心して寝泊りできるかという観点からは色々レベルがあるが、この山荘は上等な方である。ここのトイレはおもしろい作りになっている、というだけに留めておく。山荘下には鮮烈な沢が流れ込んでおり水は始終不足することはない。(>次回に続く)
posted by 玉山 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 北大武山(第91座:3,092m) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
石楠花、見事ですね。右側にはとても太いものもありますが、そのように太いものも多いのですか?また、台湾の山岳地帯には森氏シャクナゲという白い花に所々ピンクの花が混じって咲くのがあって写真を見たことがあります。わりと小振りな(写真のイメージでは)花が固まって咲くのは美しく可憐な感じでした。写真のはその石楠花でしょうか?それにしても、この回廊が花で埋め尽くされたらさぞ見事でしょうね。

頂上に立つのがとても厳しそうですね。3,000メートル以上ともなれば当たり前の事でしょうが。とても初歩的な質問かもしれませんが、檜山山荘まではテントや寝袋も背負って上がりそれより上はそれらを山荘に置いて水、食べ物だけを持って登るのですか?

Posted by メイウェンティ at 2008年10月03日 22:45
メイウェンティさん;

コメントに対する回答が非常に遅くなり失礼致しました。

私は花に詳しくありませんので、余りいい回答は出来ませんが…シャクナゲは日本では石楠花の字を当ていますが、台湾では「杜鵑」を使います。ホトトギスのことです。ツツジも台湾では(紅毛)杜鵑です。但し、日本でいうホトトギス草とシャクナゲは別種です。何故そうなのかは判りません。私の理解では、台湾には主に三種のシャクナゲが存在するというものです。即ち、森氏、玉山、南大湖の三種です。

北大武山を山中一泊で登る場合は、おっしゃる通り、檜山山荘まで荷物を上げて、翌朝空身で頂上を目指すのが普通のパターンです。(了)
Posted by 玉山 at 2008年10月12日 02:42
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