2023年09月02日

品田山−6(布秀蘭山・素密達山・穆特勒布山・雲達卡山・凱蘭特崑山)(2)

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【写真説明】申し訳ないが、再た逆戻りである。今回掲載した六枚は、スミダ山登攀の光景である。時系列としては、これら六枚は前回記事下段三枚へと続く。前回記事に掲載した上段左写真の大凡中間に三段の岩峰が突き出ているが、右端が穆特勒布山(今後はムトロツプ山と呼ぶことにしよう)、左端が素密達山(今後はスミダ山と呼ぶことにしよう)で、実際登攀したのはスミダ山だけだった。上段左写真に写る斜めに突き出た岩峰がそれだ。この角度から見る限りそれ程巨大な塊に見えないが、実サイズはかなりのものだ。中央写真の最後方にムトロツプ山頂上が僅かに覗いている。

品田山を過ぎ尚眼前を遮ぎ続けた尖峰は素密達山と穆特勒布山だったのだが、筆者はこの二つの尖峰を明確に認識出来ていたかどうか?大いに疑問だ。というのは、行く手に雲が掛かり始め、これら二つの峰の内、ムトロツプ山はやがて視界から消えたからだ。何を言いたいかと言えば、筆者は当日登攀することになっていたスミダ山をそう認識出来ていたかどうか?当日本当に登るべき山はそれがスミダ山であろうが、ムトロツプ山であろうが、我々は余りにも無謀なことをしようとしているのではないか?と自問自答を繰り返さざるを得ないぐらい、一般ルートから乖離した登山道と思われた。二つの尖峰は近接しているとは云いながら、標高差は150b、ムトロツプ山が遥かに高い。今思うに、筆者が恐懼していたのは、未だ雲が二つながらに尖峰を覆い隠す以前に見えていたムトロツプ山を当日の最終目標と見余っていたのではないか?筆者の視界がスミダ山に占領された後は、どうもその山がムトロツプ山に摺り替わったようだ。いずれにしても、行く手の登山道に恐懼するというのは筆者にとり極めて稀なケースだった。下段の写真は無機質な三角点標石代替ステンレス鋼、ムトロツプ山のそれが筆者の撮影データの中に無いので、結局筆者のムトロツプ山は雲中の出来事であったと言わざるを得ない。(続く)


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posted by 玉山 at 07:48| 台北 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 品田山(第24座、3,528m) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月23日

俯瞰図:雪山北峰

[←俯瞰図はココをクリック]
[←追加参考俯瞰図はココをクリック]

佐々木舜一「大覇尖山及次高山連峰縦走記」に従えば、雪山主峰と雪山北峰は各々次高山主山と次高山北峰である。このブログ内で筆者は以前「次高山北山」という呼称を用いたが、佐々木の記事中であったのか、それとも筆者の思い込みであったのか、定かならず。余りにもニイタカ連峰の呼称を意識し過ぎたかもしれない。

既に百岳の3,700b峰、雪山北峰の巨大なドーム状の威容には十二分に両眼を慣らされて来た上に、三日目の聖稜線O線登攀も豪快な快晴に恵まれたこともあり、今回の俯瞰図は前回の投稿記事の中で大いに述べた幻のムトロツプ山( 穆特勒布山)に焦点が当たるよう切り取って来た積りだ。追加参考図を付与したのは、品田山から雪山北峰までの稜線も起伏が激しく俯瞰する高度を高くしてしまうと、その起伏がぼやけてしまうからだ。

ムトロツプ山は先ずはスミダ山(素密達山)との混同として筆者の目の前に立ち現れたが、四日目早朝からは現実の大きな壁として我々の行く手を遮る。後で知ったことだが、多くのハイカーがスミダ山屋に荷を置き空身でムトロツプ山山頂を往復するようだ。それが終わると、品田山(下り)、雪山北峰(上り)のいづれかのルートを辿る。我々はこの空身の部分は止めにして、詰まりムトロツプ山山頂登攀をスキップして山腹をトラバース、一営地(ムトロツプ山と雲達卡山、ウンダカ山と呼ぼう、の鞍部)で聖稜線、即ち苗栗県泰安郷と台中市和平区との境界線に合流するコースを取った。当日我々のガイドからはそのような説明を受けなかったが、受けたとしてもそれに賛成、反対の意を唱えられるだけの知識も経験も無かったのだが。

一般的にトラバースは直登に替わる迂回コースのことだが、スミダ山屋から聖稜線に出会うまでのトラバースは我々には全く直登の連続だった。我々だけが苦闘したのだろうか?試しに台湾の関連サイトを覗いてみると、GPS記録上に地獄開始とか死路とかの文字がある。。。この取っ掛かりのトラバースが三日目のハイライトと云ったところか。同日、もう一つのハイライトは終点、雪北山屋付近の玉山圓柏の群生とそこからの豪華な夕陽、朝陽の眺望か。(終り)

posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 百岳俯瞰図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする