2019年02月02日

郡大山−10:「郡大山−9」修正記事

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【写真説明】今年の春節休暇の初日(02/01)、旧台湾小百岳の一座である八仙山登頂を目指すべく、台中市和平区の八仙山国家森林遊楽区に入った。遊楽区内にある旧神社跡付近で前回投稿掲載写真と同種の雉の番に遭遇、今回はかなり明瞭な撮影に成功したので、春先から転がり込んで来たこの幸運に興奮し、直ぐに数人の知り合いに自慢すべく、ミカドキジとして携帯で今回掲載写真を配信した。その後、何時もの通りトレーニングがてらに高雄市旗山区の旗尾山に登り、頂上の涼亭に掛けられていた今年の彰化銀行のカレンダーを捲っていたら、あっ!と驚いた―筆者がミカドキジと信じて疑わなかった台湾固有種の優美で豪華な雉は、実際は台湾での正式名称「藍腹鷴(「閑|鳥」) 」、ミカドキジとは別種である。世界にその存在を知らされたのもミカドキジに比べてかなり早く、1862年(文久2年)、同じくイギリスの鳥類学者、ロバート・スウィンホーに依る。学名は従って、Lophura swinhoii、この為英語での通称は「スウィンホーのキジ」(Swinhoe's pheasant)。 では日本語では?ウィキペディアの台湾鳥類の日本語版と中国語版を比較すると「サンケイ」、恐らく「山鶏」だと思う。台湾の知人に依ると、「鷴(「閑|鳥」) 」とは正に山の鶏の意味だそうだ。個体差はミカドキジの方がスウィンホーのキジよりやや大きく、後者が背中と尾に目立つ白色羽があること、それと後者の足が赤いことぐらいか?大体当の台湾人ですら、双方の区別が付かない人々が多いのはネットを渉猟していると判る。生息地域・高度も重なるようであるが、筆者の推測では、ミカドキジの生息高度の方が高いのではと想像している。IUCNのレッドリストでも両者はNTランク、台湾千ドル札の図柄はミカドキジだが、両者、青、赤、白地(中華民国国旗、青天白日満地紅旗に同じ)を纏うので国鳥扱いであるのに変わりは無い。いずれにせよ、筆者のミカドキジ追跡の旅は続くのである。(終り)

[再修正記事:02/12/2019]→二つの投稿の掲載写真を並べて見れるので、改めてそうしてみた。そして又驚いた。郡大林道で筆者が撮影した番は、実にミカドキジである!尻尾の色模様と足を八仙山のものと比べて欲しい。両者は異種である。
posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☁| Comment(0) | 郡大山(第52座:3,292m) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月16日

郡大山−11

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【写真説明】郡大山登山道に取り付く前日、登山口より先の郡大林道を歩いてみた。目の覚めるように美しい台湾二葉松の木立を抜けると、33`の標示板が現れ、更に進むと、林道は崩壊、車もバイクも通れない。但し、踏み跡が明瞭である。『台灣全覧』を開いて看た。林道は郡大渓方面へ向かう。無雙山(百岳第71号:3,231b;マシルカ山)登山口が45.3`、郡大渓沿いに「郡大渓警備道(中之線古道)」の標記がある―鹿野忠雄『山と雲と蕃人と』の世界!郡大林道33.5`の崩壊部は、筆者にとり夢の世界への入口。。。郡大林道は総延長約90`、これに支線が加わる。無雙山登山口を過ぎて後は、林道は南下、八通関古道西段(=玉山登山道)の観高まで至るが、無雙山登山ルートと郡大渓警備道が交差して後の『台灣全覧』からは、中之線古道の標記は消えてしまうが、筆者が想像した通り、郡大林道と中之線古道が重なっている部分があると云う証左であると思う。その後、泰斗楊郡南亡き後、台湾古道研究の牽引車である鄭安睎博士の1998年の「中之線警備道」踏査メモを読んだ。この踏査行も、無雙山登山道から北側半分、南側観高までの部分は「從八通關古道的觀高走到丹大林道的三分所,走完整段行程。然而我們這次活動的起點改從無雙開始,一來為了縮減時間,二來略過觀高到無雙這一段不確定的路段。」と記されている。(続く)
posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☀| Comment(0) | 郡大山(第52座:3,292m) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする